シックハウスについて 【 シックハウスの治療 】

抵抗力の弱いお子さんなどは、特に注意と予防が必要です

何か変だと思い始めた頃には症状もかなり進行していて、自然治癒が望めない状態になっているのが「シックハウス」の恐ろしいところですが、治療の手立てが全くないというわけではありません。

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ご承知のようにシックハウスは住環境全般に付随した様々な原因によって引き起こされる身体的な影響の総称です。多くの場合、それは一種の「アレルギー」となって現れますが、これを具体的な病名で捉えると実に多様なことが分かります。シックハウスの症状としては「喘息」や「気管支炎」など、呼吸器系統に障害をもたらすものが最もポピュラーで、家屋の建築に使われている毒性を含んだ薬品や、室内の空気中を漂う微細な塵が主な原因となって発症します。これらをそのまま放っておくと「化学物質過敏症」という難しい名前の病気へと発展し、ちょっとしたことでアレルギー反応に悩まされる結果を招くようになってしまいます。

こうなるとシックハウスどころか日常生活さえもままならず、家の中にいること自体が苦痛になりますので、少しの変化も見逃さない注意力と早めの予防が大切になってきます。特に小さなお子さんの場合などは大人と違って抵抗力も弱いため、ご両親を始めとする周囲の方々には子供に対する十分な気配りが求められるでしょう。また、シックハウスには呼吸器以外にも目の痛みや発熱・嘔吐など、風邪や消化器系の病気と見分けがつかない症状を伴うものがあり、厄介なことにこれらが重なって現れることもあるため、他の疾患と間違えてしまうことも多いのです。

体内に取り込まれた化学物質を排出させる「新陳代謝」を高めよう

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シックハウスの治療に関しては専門医が少ないのが現状で、受診する側も何科を訪ねれば良いのか判断に苦しむ部分もありますが、一般的な医療機関なら内科で相談するのが良いでしょう。アレルギー科のある病院ならばベストです。治療の内容としては原因を取り除くことに目標が置かれ、医師の処方した薬物の投与も実施されますが、この場合の薬物は体の働きを活性化するためのものであり、体内に取り込まれた化学物質を排出させる「代謝機能」に効果的な栄養剤や解毒剤などが使われます。
これ以外にも、薬物を用いない治療として適度な運動や半身浴、サウナなどは新陳代謝を高めるのに有効な方法ですので、無理のない程度に実践してみるのも良いでしょう。

残念ながらシックハウスの仕組みはまだ解明されていない部分もあり、特効薬と呼ばれるものも存在しないのが現状ですが、病気は医学が進歩するのを待っていてくれません。「疑わしきはクロ」という言葉がありますが、シックハウスはまさしくこの通り。どうも体調が優れないと感じた時は、原因の一つとしてシックハウスも疑ってみて下さい。

あらゆる可能性に考えを巡らせることは、治療を受ける際の重要なヒントにもなります。半信半疑の気持ちを抱いたままにすることが、取り返しのつかない事態への引き金となり、楽しいはずの家庭生活を辛く苦しいものにしてしまうということを、絶対に忘れてはいけません。

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